2010 7/18 附属小サイエンスフェア出展のパンチカードオルガンですが、天板上のアクリル板の中央がしなって下がり、天板との隙間が狭くなってパンチカードが通りにくくなる問題について、今日は解決を試みました。
今日までに、天板とアクリル板との間の、パンチカードを通す隙間を、ボール紙 1 枚の約 0.5 mm から、ボール紙 2 枚の約 1mm に変更してみました。紙はとてもスムーズに通るようになりましたが、肝心の音が、ほとんど出なくなってしまいました。隙間が大きくなりすぎて、 特に両端において、空気が隙間を抜ける方が抵抗が大幅に小さくなったようで、隙間からほとんどの空気が流れ出てしまって、リコーダーに接続された穴には空気がほとんど行かなくなってしまいました。
そこで隙間はボール紙 1 枚の 0.5 mm に戻し、対策を考えました。
以下の 2 つの案が考えられました。どちらがよいか判然とせず、いきなり制作品に適用して失敗したらまずいこともあり、まずは同等の条件の実験台を作って効果を確かめてみることにしました。
- 案1: 長手方向と平行に細長いアクリル板を立てて接着し、しなりを軽減する。
- 案2: 長手方向の中央に、小さな穴あきのアクリル部材を接着し、リコーダーラックからビニタイで吊ってアクリル板の中央部を持ち上げる。
アクリル板はすべて 5mm 厚です。
実験用のリコーダーラック相当品をすばやく組み立てているところ。
実験セット。
案1 の、しなり軽減部材。
案2 のしなり吊り上げ部材。
実験してみると、案1のように補強部材をつけただけでは、少し中央部に力をかけるだけで今までと同様に紙を挟んでしまうことがわかりました。アクリル板とパンチカード紙との隙間は 0.5mm マイナス パンチカード紙の厚さ ですから、かなり厳しい条件といえるのでしょう。また、細長いアクリル部材を正確に直線で切り出すことはジグソーでは非常に困難なので、接着部分に隙間が発生し効果を弱めてしまう可能性が大きいです。
というわけで、ちょっとカッコが悪いですが、案2 でいくことにしました。
15mm 角程度の小さなアクリル板部材を切出し、 中央に穴をあけます。1個穴あけのときに割れてしまいました。小さい部材は注意が必要です。両面にしっかりマスキングテープを貼ってから穴開けします。
吊り上げ部材を接着しているところ。
制作品で吊り上げて演奏してみましたが、 肉眼でアクリル板の上向きのしなりがはっきりわかるほど吊り上げると、やはり空気漏れにより音が出なくなります。ラックへリコーダーを固定しているビニタイを縛り直して調整し、重みがアクリル板にかかりにくくすると、ほとんど吊り上げない状態で良好になりました。
どうやら苦労して作った吊り上げ装置は使わないで済みそうです。まあ、こういうこともあります。いざというときに吊り上げられるので安心、ということにしましょう。
今後パンチカードに使っている A3 紙をつなげて長くしたときに、テープでつないだつなぎ目がうまく隙間を通過するかどうか不安があります。そのときにもしかしたらこの装置は活躍するかもしれません。