ポルタティーフ・オルガン制作:ボディー本組立

2010/09/22の記録です。
少し間があきました。研究授業ラッシュで時間が空かなかったのと、ばねに使うピアノ線をネットで買って、到着を待っていました。開始14:30。
パレットを押さえておくばねに使うピアノ線は、アントレの記事では太さ1.5mmと指定されています。こんなに太いのは近くに売っていなかったので、ネットで買うことにしました。届いたのがこんなやつ。ついでにこの太さのピアノ線を切ることのできる強力ニッパーも買いました。ニッパーのほうが高い(そりゃそうだ)。
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底板でピアノ線ばねを受ける部品を作ります。穴をあけて、のこぎりで切り込みを入れます。幅1.5mm強の切込みを手ノコで作るのに、マイターゲージをずらして2回切るなど、工夫が必要でした。
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ばね受けを底板に接着します。
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カンツェレ3枚板を載せる、5mm厚の桟を作りました。仮組みしたところ。
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いよいよボディーを本組立します。木工ボンドをつけてはめ込んでいきます。
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カンツェレ3枚板は、アントレの指示ではパレットを輪ゴムで縛ったまま接着してしまいますが、それでははさんだ輪ゴムの分隙間ができそうなので、今回はパレットをいったんすべてはずして組み立てます。
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カンツェレ板を接着し、各所をクランプやハタガネで締めたところ。ハタガネが不足です…。
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続きは次の記事で。

ポルタティーフ・オルガン制作:ボディーの作成

2010/09/14の記録です。
今日はボディーの作成にとりかかります。開始は13:30。
ボディーはアントレの記事にほぼ倣いますが、若干設計変更しました。アントレの記事では小学生でもできるようにということで、ボディーの組立ては板をただ貼りあわせる「いもつぎ」方式ですが、ボディーは風箱も兼ねていて密閉性が必要なのと、トリマーなどの工具もあることから、できるだけ溝に差し込むような組み手を作って、密閉性と堅牢性を確保することにしました。
すでに作ってきたパイプの載るカンツェレの掘られた板ですが、これは寸法きっちりに切ってしまっていますから、差し込み式にはできません。その上直角にすこし狂いがあって形がゆがんでいます。そこで左右と後ろ側の3方は、ボディー側に5mm厚の「桟」を接着して、その上に載せるようにします。手前側は困りましたねえ。(実際、後に手前側から空気漏れを起こします)
昨日ホーマックで仕入れてきた、15mm厚の松集成材をボディーに使います。まず、自動カンナ盤で厚さを12mmにします。この部屋は中学校技術科の木工設備を備えていますが、教育用とはいえ大型機械、便利です。
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昇降丸ノコ盤で大まかに形を切り出し、残った部分は手ノコで切り落とします。
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ボディー側面に幅12mmの溝をトリマーで掘ります。そこに背板や底板がすっぽりはまります。いわゆる大入れ継ぎです。この作業用にジグを作って使っています。
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溝を掘り終わったところです。すごい粉塵でした。細部はノミで整えます。特に角はトリマーを使うと丸く掘られるので、ノミで四角くしないと板がはまりません。
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背板に吸気用の大きな丸穴と、吹き込み用の小さな丸穴をあけてあります。これはホールソーと、自由キリを使ってあけました。自由キリもおっかない道具です。
さて、私の設計では左右の側板が後ろ側に数mm出っ張ります。アントレの図などを見て、これでもいいのかな~と思ったのですが、あとでふいごを取り付けるときにこの出っ張りが邪魔になり、余計な工程を必要としてしまいます。もし次回があるならここは工夫のしどころです。(12月記載)
ボディーを仮組みしてみました。一気に出来上がってきた気分です。テンションあがります。
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横に寝かせて、カンツェレ3枚板を予定の位置に仮置きし、パイプを2本置いてみました。
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風箱と、パレットの様子が見えるアングルだと、こんな様子です。
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かなり、近づいてきました…。時刻は19:00すぎ、今日はここまで。

ポルタティーフ・オルガン制作:パレットをセット

2010/09/11の記録です。
今日は13:30ころから作業開始です。昨日作ったパレットを、ひとつずつ切り離します。今回使った革がたまたま、切り口からぼろぼろと細かいゴミがたくさん出るタイプで、将来この革ゴミがパイプのせばめ部分につまらないか、ちょっと心配です。
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直径3mmの真鍮釘を、指定の長さに切って、パレットの支点のピンとします。地味にニッパーで刻みを入れ、手で折り曲げて折っていきます。
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ガイドピンは、アントレの指定では釘のあたまを切り落とすことになっていますが、ずぼらしてそのまま使います。
支点のピンとガイドピンを打ち、パレットを並べているところ。
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並べ終わりました。オルガンとして組み上げたときは、写真で上になっている面が下側になります。
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フェルトと革をカンツェレの溝になじませるために、当て木を介して輪ゴムでしばり、固定してしばらく放置します。
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今日はここまで。時刻は17:00。

ポルタティーフ・オルガン制作:カンツェレ3枚板接着・パレット作成

2010/09/10の記録です。
今日は15:30ごろから作業開始。先日作ったカンツェレを構成する3枚板、まずは溝の切り口をやすりで整えます。その後、薄めた木工用ボンドをハケで溝の壁面に塗り、空気漏れを防ぎます。
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そして3枚の板を貼りあわせます。木工用ボンドを塗り、位置をよく調整して合わせ、ありったけのクランプでしっかり固定します。このまま1日以上放置。
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一方、カンツェレをふさぐ「フタ」となる「パレット」の作成に取り掛かります。まず、ヒノキの角材から 150mm x 15mm x 10mm の棒を18本作ります。アントレ記事の指定の位置に、指定の深さで3mmの穴を2箇所あけます。この棒の片方の端に、幅3mmの切り込みを作ります。この切り込みにはガイドピンが通ります。
今回この切り込みは昇降丸ノコ盤を使いました。丸ノコを最大限に出して、切断面ができるだけ垂直に近くなるように切ります。実際にはかなり角度がつきます。
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昇降丸ノコ盤は危険な機械なので、緊張します。
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定盤上のマスキングテープの印を、切り込み深さの目安としています。すばやく正確にできてしまいました。昇降丸ノコ盤は危険ですが、便利です。
次に切り込みのある端を斜めに切り落とします。これは切り込みとガイドピンとの摩擦を少なくするためとのことです。この作業はラジアルアーム丸ノコを使いました。まず切り落とす角度に材料を固定するジグを作り、木製クランプで材料を2本程度固定してから、丸ノコで切り落とします。
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形になってきたパレットたち。
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続いて、パレットの、カンツェレをふさぐ面にフェルトと革を貼ります。フェルトはクッションに、革は密閉材になります。
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革の滑らかな面にフェルトを貼り、その上にパレットを並べて貼ります。革の滑らかな面はサンドペーパーで荒らしてから接着します。
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この状態で軽くおもしを乗せ、1日以上放置。今日はここまで。時刻は21:00すぎ。

ポルタティーフ・オルガン制作:カンツェレ中間板

2010/09/08の記録です。
昨日9/7に作った長い溝と、パイプを立てる穴とを連結する、中間板を作りました。作業開始は 16:00 ころ。本当は午後すぐに始めるはずでしたが、別記事の perl スクリプト作成に手間取り、この時間になりました。
お手本のアントレの記事では、大きな径のドリルを使って連結通路の穴をあけることになっていますが、大きな径のドリル刃がなく、買い揃えると結構高いので、小さな径の穴を糸ノコで連結することにしました。
図面は数日前に Illustrator で作ってあります。隣の穴との間隔が結構狭く、余計なところがつながってしまわないようにするにはmm単位の調整が必要です。神経を使います。
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19:00 すぎに、このように出来上がりました。仮組みでの通路チェックも、デリケートながらなんとか OK のようです。

ポルタティーフ・オルガン制作:カンツェレの加工

2010/09/07の記録です。
今日はトリマーで、空気の通り道となる溝「カンツェレ」を加工しました。昼間はほとんど会議の連続で、夕方17:30すぎからの作業です。
まず、昨日描いた図面を材料にマスキングテープで固定し、カンツェレの位置をカーボン紙で転写します。
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カンツェレの溝は幅6mm。トリマーのストレートビットで掘ることにします。材料のシナベニヤ板の厚さは12mmなので、2~3回に分けて掘ります。まずはまっすぐ掘るために、トリマーをガイドするジグを作りました。ジグ作りは重要です。まず長い溝の寸法で作ります。ジグをケガキ線に合わせてクランプで材料に固定し、トリマーで掘ります。
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こんな風に掘ります。
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長いほうの溝が掘れたところ。
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短いほうの溝の寸法に合わせてジグにストッパーを取り付け、短い溝を掘ります。
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溝が掘りあがったら、板を設計どおりの寸法に切り離します。クランプしやすいようにこの工程を最後にしました。
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実はこのときの板の切り出しの精度が不足していて、後々空気漏れで苦労することになります。キカイの直角・平行を過信するべからず… orz。
今日の成果を並べてみました。今日掘った溝のある大きな板と、パイプを立てていた小さな板があります。
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さらにこれらの穴を正しく連結する溝を掘った「中間の板」を作ります。それは明日以降に。

ポルタティーフ・オルガン制作再開

2010/09/06の記録です。
講義やら、学校行事の工作やらで 7/2 から止まったままのオルガン制作ですが、そろそろ意地でも再開します。
でも今日も朝から、幹事をしている学会支部会の会計業務が夕方までかかり、かなりくたびれてきました。でもここで意地を出さないと再開できないっ。
この間のさまざまな工作でオルガンパイプはうずもれてしまっています。
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とりあえず救出して、次の作業を確認します。まずは図面を描かねばならないことが判明。
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居室に戻って Illustrator で図面を描きます。手書きよりはるかにラクチン。これは「空気の通り道」であるカンツェレの位置を示す図面です。
教科書にしている雑誌「アントレ」の記事では、掲載されている図面をコピーして使うことになっていますが、今回はしくみを調べて新しく描いてみます。
描いてみてわかったことは、カンツェレの間隔は等間隔ではない、ことです。パイプ自体は等間隔に並べるのですが、カンツェレおよびそれを開閉するパレット、さらにそのパレットを開閉するため鍵盤により押される突きピン「ステッヒャー」は、鍵盤の中央に位置しなければならないために等間隔ではなく、微妙に間隔が異なっています。見慣れたピアノなどの鍵盤のレイアウトから算出すると、そうなるのですね。なかなか細かい芸を要求されます。
というわけで、18本パイプ用のたった1枚の図面描きにも結構な時間を要しました。コピペのできる Illustrator を駆使しても2時間40分ぐらい。遅くなったので今日はここまで。

太い塩ビ管も鳴ります

遡及入力中。2010/07/30の記録です。
7月の楽器づくりプチ紹介、これは、直径10cm の太い塩ビ管を、リコーダー式のヘッドをつけて鳴らしているところです。ヘッドはリコーダーというよりはパイプオルガンの木管パイプの作り方で四角く作りました。
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写真では1mですが、これを市販の塩ビ管ジョイントソケットをつかって、3m までつなぐことができます。船の汽笛のようなボーッという音がします。息がたくさん要ります。目が回ります(^^;;)。
将来的には、指穴をあけて「巨大リコーダー」にするのが目標ですが、前途多難。
なかなか鳴らなくて寸法など試行錯誤しました。オルガンの低音パイプ作りにも参考になりそうです。

リコーダーパンチカードオルガン8本版

遡及入力中。2010/07/29 の記録です。
7月はひたすら工作の日々となりました。2010/07/30 の附属小サイエンスフェアに向けて、楽器の原理をデモンストレーションする手作り楽器をいくつか制作する必要があったのです。詳細はゼミブログのほうに載せましたので、ここではちょこっと紹介を。
まずは、今回最も力を入れて、手数もかかった「リコーダーパンチカードオルガン」です。
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附属小サイエンスフェア発表練習

2010 7/22 今日は附属小サイエンスフェアに参加する各研究室のメンバーが集まって、発表練習をしました。学生たちは「プレ」と呼び習わしているようです。

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方法研「音ブース」はトップバッター。

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↑ホースホルン。

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↑リコーダーパンチカードオルガン。

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↑一弦ベース。

持ち時間 10 分ということと、まだ完成していないものもあり、今日はこの 3 品でした。

この後各研究室の発表が続きましたが、広重は 4 年目卒論打ち合わせのため退席。